ビットコインとは

ビットコインは大丈夫?


ビットコインは最近の値上がりに伴い、これまでにないほどの大きな注目を浴びている。このブームに乗るべく、好奇心からビットコインを購入する人も増えている。

そもそも暗号通貨(クリプトカレンシー)と呼ばれるところからも、怪しさが増している。

また数年前には日本国内でもビットコインが消失するという事件が発生し、数百億円の損害を受けた個人投資家がいたために、なんとなく危ない、危険である、怪しいというイメージがつきまとう。

しかしこれにも関わらず、最近ビットコインに対する関心が高まっているからには、それを上回る何らかの恩恵があるからである。いったいビットコインは安全なのか、それとも危険なのか、なぜ人々はビットコインを買おうとするのか、それを安全性という視点から見ていく。その過程で、ビットコインの仕組みそものもについての理解も大いに深まるだろう。

危険なのはビットコイン自体ではない

ビットコインは安全だという専門家の意見を聞いても、どちらかといえば良く分からない、怪しいというのが一般的な意見だろう。こうした意見の違いがあるのは、ビットコインの安全性という場合に、何が安全かという点に違いがあるからである。

安全性について考えるために、ビットコインを3つの要素に分解して考える。1つ目はシステム自体の危険性である。第2にその購入や換金を行う事業者の安全性と危険性、そして第3にビットコインを買う投資家個人の管理上の危険性に分ける。

危険か安全かという議論は、3つの要素に分けて考えることで分かりやすくなる。

1.暗号通貨システム自体の安全性

ビットコインのシステム自体は、注目のブロックチェーンと呼ばれる技術で運営されている。そしてブロックチェーン自体は画期的な技術であり、極めて安全性が高いものであるといえるだろう。その仕組みを簡単に説明する。

ブロックチェーンの技術

通貨と呼ばれているが、実際のビットコインは銀行通帳のようなものである。

通帳を銀行が管理しているように、ビットコインにも通帳がある。しかし銀行の通帳との違いは、全てのビットコイン保有者の通帳が、世界に無数にビットコインのサーバーに記載されていることである。

どれほど安全な銀行のサーバーであっても、ハッキングにあう可能性がゼロとはいえない。一方で、ビットコインのサーバーは銀行と比較すれば容易にハッキングされることも考えられる。しかし、大きな違いはそのサーバーが無数にあることである。

ビットコインでは送金のような取引があれば、世界中の全てのサーバーに保管された全員分の通帳が同時に更新される。この更新作業のチェックを巡ってはスピードをめぐる競争がマイナーと呼ばれるサーバー管理者の間で行われ、最も速く正確にチェックができた事業者には新規コインが発行される仕組みになっている。この賞金は厳しく決められており、これがインフラ率を決めている。世界中のビットコインの検証事業者であるマイナーがサーバーを運営し、ビットコインのインフラを作っている。

世界中のサーバーで世界中のユーザーの通帳が管理されていることから、これを改ざんしたり、不正に盗み出すには世界中のサーバーを同時にハッキングする必要がある。ビットコインでは多数決の法則が働くため、51%のサーバーをコントロールする必要があるのだが、世界中に無数のサーバーがある以上、その半数を少数のグループが攻撃することは極めて難しく、不可能と考えてよい。ブロックチェーンの技術で運営される暗号通貨自体は、極めて安全なものといえるだろう。

2.取引所の安全性

結論からいうと、すべての取引所は必ずしも安全とはいえない。ビットコインの特徴は誰も監督しなくても運営可能であることだ。取引所も原則的に監督なしで立ち上げることが可能で、様々な企業がそれぞれ自由にビットコインの銀行や証券会社を設立して事業を行っているのが現在のビットコイン取引所の現状である。

よってビットコインの安全性はまず大きくどのビットコイン事業者を利用するかによって大きく異なってくる。例えば以前に日本に拠点を置くMt.Goxという企業が倒産した際も、その「銀行」に預けていたビットコインは文字通り消失した。そして、政府の監督がないということは、預金保護のような仕組みもないということだ。

しかし、ビットコインがより一般に注目されるにつれ、様々な企業が自主的に健全な経営を行い、体制強化に取り組んでいる。我々投資家としては、個別のビットコイン事業者をしっかりと見極めていくことが重要になる。安全性の問題では、取引所を最も重視すべきだろう。

3.投資家個人の安全性

ビットコインの安全性はまた投資家個人の管理および知識によって大きく左右される。ビットコインの概念が新しいことから、その適切な管理には知識が必要となるからだ。もしも間違った認識でビットコインを管理すれば、そこにはリスクが伴うことになる。

ビットコインの安全性は投資家個人の知識と管理に依存するのである。

ビットコインのプライベートキーは「銀行印」

際に購入した暗号通貨であるビットコインは、暗号と呼ばれる通り誰にも共有してはならない暗号文字の羅列で管理される。例;

5KJvsngHeMpm8888kJNzAErckhHJBGFsvabcdeXj3hS

これがそのビットコインの所有権をあらわすプライベートキーと呼ばれる文字だ。
ビットコインを安全に管理するには、盗まれないこと、無くさないことが必要となる。

単純化した例えとして、ビットコインがブロックチェーンという銀行に入っているとしたら、これが「銀行印」に相当する。そして送金するにはこの銀行印を押せばいい。

もしも「印鑑(プライベートキー)」」を盗まれた場合、その通帳からはいくらでも送金可能となり、ビットコインは全額盗まれることとなる。またもしも「印鑑(プライベートキー)」を紛失すれば、自分のビットコインだとしても永遠に引き出せなくなる。

安全なビットコインの保管方法

つまりビットコインを安全に保管するには、ビットコインのプライベートキーを安全に保管すればよい。

これを行うのが、ウォレットと呼ばれるソフトウェア、ハードウェアである。ウォレットはプライベートキーを保管し、これを使ってビットコインの送金を行う。

ビットコインを保存するウォレットにはiPhoneなどのスマートフォンのアプリや、USB
メモリのようなトークンがある。どちらにしても、ウォレットにはプライベートキーが入っているため、紛失してはいけない。

まとめ

ビットコインは危険なのか、それは3つの要素から導かれる。まず、ビットコイン自体はシステムとしては安全である。ただし注意すべきなのは、安全な取引所を利用すること、また投資家自身が正しいビットコインの知識をえることである。

取引所は安全で信用できる企業を利用するべきで、それは自分の銀行を選ぶ時のようにしっかりとした企業を利用することが重要だ。

また保管方法やウォレットなど、投資家自身の知識についても、安全な運用と管理ができるようにする。

こうした要素がそろえば、ビットコインは極めて安全なツールとなり、未来の通貨としてこれだけの期待がされていることも驚くには足らないだろう。

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