今週、中国政府および中国中央銀行がICO(新規コイン公開)への禁止令を発表した。しかし今のところはこれによりビットコインおよびオルトコイン相場も大きな変動は見られない。またアメリカでは証券取引委員会(SEC)のメンバーが、悪意あるICOへの批判を行っている。
今年に入ってICOが大幅に増えている。スマートコントラクトを使うことで、容易にオルトコインを発行できるイーサリウムの恩恵もあってか、新規コイン発行は急増、テクノロジー関連企業にとっては新たな資金調達手段として脚光を浴びている。
一方で、その匿名性とまた現金を使わないことから、透明性は低くなり、本当に価値を提供しないネズミ講のようなICOも存在する。また例え実質的な価値がないとしても取引所にさえ登録できれば、そこでビットコインとトレードできるので、良しとすることも考えられる。
さらに、ICO自体が適切な目的で行われるとしても、匿名性と新規性からハッカーによるパスワードの盗難や、ウェブサイトの改ざん、フィッシングなどにより、ICOのために振り込まれたはずのビットコインが盗難される事件も数多く発生している。
ただし、政府が規制しようとしても、その匿名性から実質的に禁止することは難しい。電子メールを禁止することができないように、暗号通貨はどの政府にも依存することなく、送金やトレードができるのが最大の特徴だからだ。
政府の対応は今後のビットコインやアルトコインのマーケットに影響を及ぼすため、注意は必要である。
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