ビットコイン(BTC)の価格は引き続き下落傾向にあり、15日は2,000ドルを下回った。2017年に入り急激に上昇し、一時は6月に35万円近くをマークしたが、現在は20万円を若干上回っている。
これにあわせてイーサリウム(ETH)も下落が続き、現在は1万7,000円台での値動きとなっている。イーサリウムも6月11日には4万7千円台をマークしており、2ヶ月余りで最高値の半値未満にまで下落している。
8月1日に控えるいわゆるハードフォーク
市場では8月1日に予定されている「ハードフォーク」に対する不安感があると見られる。このイベントは実際にはビットコインのコア開発者グループが提案するビットコイン改善提案第148案(BIP148)に起因する。ビットコインのシステム全体のスケーラビリティ改善のために行われる変更を、開発者のコアグループは8月1日に実行する計画である。
ビットコインネットワークはマイナー(採掘者)と呼ばれるサーバー管理者によって成り立っており、その決定には多数決の法則が働くことから、開発者だけでは変更を加えることはできない。どれだけの数のマイナーがこの提案に賛同するかによって、提案が受け入れられるかが決定される。今回の提案では多数が賛同しない場合は、賛同するマイナーのみが引き続きビットコインをマイニングするという新たな仕組み(いわゆるセグウィット)が含まれていることから、ビットコインのマイナーが分裂する可能性がある。
分裂しても既存のビットコイン保有者は両方の種類のビットコインを所有することになるため、問題はないが、取引所ではその期間の取引が制限されたりする可能性はある。この不確実性がビットコインの先行きを不透明にしている。今の期間にビットコインを一般の通貨に変えようという動きがあることで、ビットコインが下落することになる。
15日はこの提案が多くのマイナーに受け入れられるかを検証する第1回目の締め切りであったが、コンセンサスの水準には到達しなかった。次回の期日は7月29日に予定されている。
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